False Island (通称偽島)のEno.1127 ルフィナの裏の人の雑記や日記のアーカイブなどをだらだらと
2010
「・・・・・・・ルフィナ。ルフィナ起きてよ!」
呼び掛けられて瞼を開くと、キキの顔が目の前にあって初めて自分が寝ていたということに気が付いた。
未だ回らない頭。焚き火が消えて冷え切ってしまった手を額に当てると、ひんやりとした感触が返ってくる。真夜中に見張りを交代する予定だったのに、どうやら彼女を起こす前に意識が落ちてしまっていたらしい。そうしてキキの頭の向こうの空を見上げると、朝陽はすっかり登ってしまっていた。
呼び掛けられて瞼を開くと、キキの顔が目の前にあって初めて自分が寝ていたということに気が付いた。
未だ回らない頭。焚き火が消えて冷え切ってしまった手を額に当てると、ひんやりとした感触が返ってくる。真夜中に見張りを交代する予定だったのに、どうやら彼女を起こす前に意識が落ちてしまっていたらしい。そうしてキキの頭の向こうの空を見上げると、朝陽はすっかり登ってしまっていた。
「珍しいわね。貴女が見張りの間に寝落ちるなんて」
小さいサイズのララがキキの肩で腕を組みながら困ったように言う。
「・・・・面目無い」
心底申し訳なくて、あたしは二人に謝罪の言葉を投げた。今朝一番のキキの様子・・・・恐らく、何度も起きるまで呼び掛けていたのだろう。それでも目を覚まさないほど落ちていたようだ。これでは見張りの意味が無い。何事も無かったから良いようなものの、この間に魔物や人狩に襲われていたら大変なことになっていた。
「私達のことは気にしなくても大丈夫だよ。何事も無かったし、なんだかんだ言って起こされなかったからぐっすり寝られたしね?」
言ってキキが悪戯っぽく笑う。
「・・・・・貴女はもう少し緊張感を持つべきだと思うわ」
そんな彼女の様子にララが呆れ顔で頭の上から小さな手でぺちぺちとキキの額を叩いた。キキが可愛く舌を少しだけ出して笑う。
「でもホントに・・・・ルフィナ、どこか具合が悪いんじゃない?先日、姿が見えなくなってからちょっと変だよ?」
変、か。キキは時々普通なら言いにくいことをズバっと言う。
彼女が素直な証拠とも言えるが・・・・どう誤魔化したらいいものか。
こういう時、のら猫のシオンや竜眼ならさらりと避けられるのだろうけど、生憎自分は話術に長けている訳ではない。あたしは返答に困って気の無い声を出して宙に視線を彷徨わせた。そこでふと思い出した、血吐きでやけにキラキラとした服飾を身に着けた趣味の悪い軍隊。
「・・・・・ちょっと宝玉の情報が入ったんで、その場所に向かったらベルクレアの別軍隊が居てな?うまく隠れて抜けようとしたんだが・・・だめだったんだよ。どうもこの遺跡は隠れて抜けることは不可能らしいな。何回か試しては見たが・・・・・野生の勘なんだか、それともそういう風に仕組まれているのか。一度も見つからずに抜けた試しが無いよ」
大きく溜息をひとつついて、観念したフリをしてあたしはキキに答えた。勝手に姿を眩ましたのら猫を追いかけたついでに向かった先だが、とりあえず嘘は言っていない。
「なんかルフィナってば、私たちと移動するときってなぜか倒された後とかが多いよねぇ」
にへら~と天然な笑みを浮かべたキキからグサッと刺さる言葉が振ってきた。そう言われれば・・・・確かに彼女たちと移動するとなるとそう言うことが起こってる気がしなくも・・・・初めてのときはハムスター、2回目は人狩にスケルトンウォリアー、3回目はベルクレア8隊・・・・今考えると、なんだ・・・・・自分、負け越しだらけじゃないか。減退したチカラも初めて島に踏み込んだ日に比べればそれなりに戻ってきているはずなのに。不甲斐なさに頭が痛くなって、あたしはその場から立ち上がった。
「ルフィナ?」
ララがしゃがみこんだキキの頭上からあたしの顔を見上げて尋ねる。
「ちょっと、見回り行ってくる」
外していたウエストポーチを拾い上げて腰につけながら、ララの声に答えた。
「朝ごはんは?」
返答に追いかけるようにキキがあたしに尋ねる。
「適当に歩きながら食べるさ」
彼女たちに背中を向けてあたしは片手を上げてそう答えると、野営地を後にした。
野営地より少しはなれた林。持っていたワイヤーを枝に絡めて適当な罠を張っていく。小さな落とし穴、土砂、アローにネット。上手く見つからないように隠しながら組む。
「はぁ・・・おなかすいた」
歩きながら食べるなんてキキ達に言ったものの、実のところあたしの鞄の中の食料は極僅かだった。血が足りない所為なのかわからないが、おなかが減って仕方が無い。いつもなら食べなくても我慢出来るのに、今は頭もくらくらする。もう血でもなんでもいいからおなかに入れたい気分だった。野営地に居たら・・・・キキ達の血を欲してしまいそうで怖かった
。大きく深呼吸をして回りにくい足りなくなる酸素を取り入れた。罠とつながったワイヤーを物陰の自分の手元へ持ってきて木へ刺した釘に固定する。これで切れば罠が起動する仕組みだ。まぁ、起動なんて言えるほどたいした仕掛けでもないのだが・・・・。
もう一度大きく深呼吸。目眩を無理矢理に押し込める。そのまま瞼を閉じて気配を殺し、耳に意識を集中した。
先程近くに狐や鼬が居た。食用としてはいまいちだが・・・・おなかが膨れるほうが優先。贅沢は言ってられない。
そんなことを考えている間に落とし穴に何かが落ちた。ネットの罠のワイヤーを切る。穴の上にワイヤーネットが落下した。これでもう逃げられない。続けてアローの罠を切る。網の上から矢が数本降り注いだ。子供が『キャー』と泣き叫ぶような声が穴から聞こえる。おそらく、掛かったのは鼬。何本か刺さったようだ。
隠れていた場所から離れて穴を覗き込むと、思ったとおり鼬が一匹矢を数本刺し背負って暴れていた。網の上から首元を狙ってサバイバルナイフを落とす。鼬の首に刺さり、鼬が断末魔の叫びを上げた。そのまま動かなくなったのを確認してネットを取り外し、鼬に手を伸ばした。
その瞬間
ザッと砂が舞うように。鼬が姿を消した。
まずその目を疑った。いきなりの事に血の足りない頭がついていかない。穴に残った矢を拾い上げて確認しても、血痕のひとつすら残っていなかった。たが鼻に残る血液の匂いが、そこに鼬が居たことを証明していて、あたしは後ろ頭を掻いた。大きく息を吐いて空を仰ぐ。先程よりも昇っている日で時間を計る。
「もう一度罠を作っている暇は無いか・・・」
お腹は減ったが、仕方が無い。戻って最後のワイヤーを切る。穴の上に土砂が降り注ぎ、穴が埋まった。
「参ったな。今日は15隊の駐屯地へ向かうのに」
小さくつぶやいて、ふらふらする頭に少し不安を覚えながら、野営地へと足を向けた。
小さいサイズのララがキキの肩で腕を組みながら困ったように言う。
「・・・・面目無い」
心底申し訳なくて、あたしは二人に謝罪の言葉を投げた。今朝一番のキキの様子・・・・恐らく、何度も起きるまで呼び掛けていたのだろう。それでも目を覚まさないほど落ちていたようだ。これでは見張りの意味が無い。何事も無かったから良いようなものの、この間に魔物や人狩に襲われていたら大変なことになっていた。
「私達のことは気にしなくても大丈夫だよ。何事も無かったし、なんだかんだ言って起こされなかったからぐっすり寝られたしね?」
言ってキキが悪戯っぽく笑う。
「・・・・・貴女はもう少し緊張感を持つべきだと思うわ」
そんな彼女の様子にララが呆れ顔で頭の上から小さな手でぺちぺちとキキの額を叩いた。キキが可愛く舌を少しだけ出して笑う。
「でもホントに・・・・ルフィナ、どこか具合が悪いんじゃない?先日、姿が見えなくなってからちょっと変だよ?」
変、か。キキは時々普通なら言いにくいことをズバっと言う。
彼女が素直な証拠とも言えるが・・・・どう誤魔化したらいいものか。
こういう時、のら猫のシオンや竜眼ならさらりと避けられるのだろうけど、生憎自分は話術に長けている訳ではない。あたしは返答に困って気の無い声を出して宙に視線を彷徨わせた。そこでふと思い出した、血吐きでやけにキラキラとした服飾を身に着けた趣味の悪い軍隊。
「・・・・・ちょっと宝玉の情報が入ったんで、その場所に向かったらベルクレアの別軍隊が居てな?うまく隠れて抜けようとしたんだが・・・だめだったんだよ。どうもこの遺跡は隠れて抜けることは不可能らしいな。何回か試しては見たが・・・・・野生の勘なんだか、それともそういう風に仕組まれているのか。一度も見つからずに抜けた試しが無いよ」
大きく溜息をひとつついて、観念したフリをしてあたしはキキに答えた。勝手に姿を眩ましたのら猫を追いかけたついでに向かった先だが、とりあえず嘘は言っていない。
「なんかルフィナってば、私たちと移動するときってなぜか倒された後とかが多いよねぇ」
にへら~と天然な笑みを浮かべたキキからグサッと刺さる言葉が振ってきた。そう言われれば・・・・確かに彼女たちと移動するとなるとそう言うことが起こってる気がしなくも・・・・初めてのときはハムスター、2回目は人狩にスケルトンウォリアー、3回目はベルクレア8隊・・・・今考えると、なんだ・・・・・自分、負け越しだらけじゃないか。減退したチカラも初めて島に踏み込んだ日に比べればそれなりに戻ってきているはずなのに。不甲斐なさに頭が痛くなって、あたしはその場から立ち上がった。
「ルフィナ?」
ララがしゃがみこんだキキの頭上からあたしの顔を見上げて尋ねる。
「ちょっと、見回り行ってくる」
外していたウエストポーチを拾い上げて腰につけながら、ララの声に答えた。
「朝ごはんは?」
返答に追いかけるようにキキがあたしに尋ねる。
「適当に歩きながら食べるさ」
彼女たちに背中を向けてあたしは片手を上げてそう答えると、野営地を後にした。
野営地より少しはなれた林。持っていたワイヤーを枝に絡めて適当な罠を張っていく。小さな落とし穴、土砂、アローにネット。上手く見つからないように隠しながら組む。
「はぁ・・・おなかすいた」
歩きながら食べるなんてキキ達に言ったものの、実のところあたしの鞄の中の食料は極僅かだった。血が足りない所為なのかわからないが、おなかが減って仕方が無い。いつもなら食べなくても我慢出来るのに、今は頭もくらくらする。もう血でもなんでもいいからおなかに入れたい気分だった。野営地に居たら・・・・キキ達の血を欲してしまいそうで怖かった
。大きく深呼吸をして回りにくい足りなくなる酸素を取り入れた。罠とつながったワイヤーを物陰の自分の手元へ持ってきて木へ刺した釘に固定する。これで切れば罠が起動する仕組みだ。まぁ、起動なんて言えるほどたいした仕掛けでもないのだが・・・・。
もう一度大きく深呼吸。目眩を無理矢理に押し込める。そのまま瞼を閉じて気配を殺し、耳に意識を集中した。
先程近くに狐や鼬が居た。食用としてはいまいちだが・・・・おなかが膨れるほうが優先。贅沢は言ってられない。
そんなことを考えている間に落とし穴に何かが落ちた。ネットの罠のワイヤーを切る。穴の上にワイヤーネットが落下した。これでもう逃げられない。続けてアローの罠を切る。網の上から矢が数本降り注いだ。子供が『キャー』と泣き叫ぶような声が穴から聞こえる。おそらく、掛かったのは鼬。何本か刺さったようだ。
隠れていた場所から離れて穴を覗き込むと、思ったとおり鼬が一匹矢を数本刺し背負って暴れていた。網の上から首元を狙ってサバイバルナイフを落とす。鼬の首に刺さり、鼬が断末魔の叫びを上げた。そのまま動かなくなったのを確認してネットを取り外し、鼬に手を伸ばした。
その瞬間
ザッと砂が舞うように。鼬が姿を消した。
まずその目を疑った。いきなりの事に血の足りない頭がついていかない。穴に残った矢を拾い上げて確認しても、血痕のひとつすら残っていなかった。たが鼻に残る血液の匂いが、そこに鼬が居たことを証明していて、あたしは後ろ頭を掻いた。大きく息を吐いて空を仰ぐ。先程よりも昇っている日で時間を計る。
「もう一度罠を作っている暇は無いか・・・」
お腹は減ったが、仕方が無い。戻って最後のワイヤーを切る。穴の上に土砂が降り注ぎ、穴が埋まった。
「参ったな。今日は15隊の駐屯地へ向かうのに」
小さくつぶやいて、ふらふらする頭に少し不安を覚えながら、野営地へと足を向けた。
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